ワン・クリック先の「震災アーカイブ」53件! [震災(災害)アーカイブ]
上画像:『3.11いわてNPOチラシアーカイブ』HPより、被災地の草の根支援活動の足跡をうかがわせるチラシの数々。「震災アーカイブ」はICT時代を迎えたいま、“開かれ、寄り添い、同時代を息づく記録・記憶、教訓”となった。あなたのデスクトップに、次の災害への備えとして、訪れるべき(クリックすべき)災害教訓の宝庫がある
■《Bosai Plus》 第164号・2017年06月15日号発行!
(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク)
●ワン・クリック先の「震災アーカイブ」
「アーカイブ」(英語:Archive)とはもともと「公記録の保管庫」の意味で、それを“まとめて整理して保管する”こと。これまではとくに古文書・公文書・文化遺産の映像などの保管について用いられた用語だそうです。
似た用語にライブラリー(蔵書・図書館の意)がありますが、こちらは「図書を対象にしたコレクション」で、図書館では資料類を整理する専門家を「司書」と言い、司書になるには資格が要ります。
いっぽう現代用語としてのアーカイブは、ICT(情報通信技術=デジタル技術)の進展を背景に「あらゆる媒体(メディア)による記録・資料を対象にしたコレクション」となります。あらゆる媒体――つまり、紙(文書、本、チラシなど)から写真、動画、音声、SNSなどのウェブ情報――と、いまや多彩に無尽蔵に存在します。
このなかから必要なものを“集めて、整理して、発信する”のが 現代のアーカイブの専門家で、図書館司書の対語として「インフォ・プロ(Information Professional)」という新語も生まれているようです。
現代のアーカイブは、システムを構築する段階で「記録をどのように収集するか」、「どのようなメタデータ(そのデータに関連する情報~作成日時や作成者、データ形式、タイトル、注釈など)を付与するか」、「データの権利処理をどうするか」など技術面や制度面、運用面で多くの課題を抱え、「インフォ・プロ」などの資格制度はなく、まだ草創期で手探りなのが実情だそうです。
もちろん、アーカイブをだれに、どのように活用してもらうのかという、まさにアーカイブの存在意義を問う大きな課題は、アーカイブ構築プロジェクトの大前提として俎上に載っています。
災害資料はこれまで“紐解かれる”もので、本棚の奥からずしりと重い資料をドンとデスクに載せて、情報を求めて1ページずつめくるイメージでしたが、デジタル震災アーカイブではだいぶ様相が変わります……デスクトップで、あるいはノートパソコンをひざの上にワン・クリック……この便利さを活かすのも殺すのも、ワン・クリックの指先に込める“防災への思い”、ということでしょう。
●話題を変えて……福岡県那珂川町の“防災手話”
前号で「手話で『防災サイン』」のタイトルで、“手話の聖地・鳥取県”の話題を紹介しましたが、昨日の朝(6月14日)のNHKテレビ「おはよう日本」で、福岡県那珂川町職員が手話で避難所を案内するというリポートがありましたので、ご参考まで……
>>NHKニュース:おはよう日本「リポート」(役場職員が手話で避難誘導)
(2017.06.14.)
役場を上げて手話の普及に力を入れている福岡県那珂川町では、災害に備えて聴覚障害者に安心して避難所を利用してもらえるよう取り組んでいる……
(M. T. 記)
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