被災者支援「連携」に向けて [被災者支援]
内閣府(防災担当)が去る4月13日に公開した『防災における行政のNPO・ボランティア等との連携・協働ガイドブック~三者連携を目指して~』は、熊本地震や九州北部豪雨などの数多くの事例・教訓を踏まえて、幅広い防災ボランティアの環境整備に資するよう行政と災害ボランティアセンター、NPOや災害ボランティアなどとの「3者連携」や、平時からの関係構築に向けた考え方や活動方法を具体的・実践的に説明している(上画像は同ガイドブックより)
■《Bosai Plus》 第185号・2018年05月01日号発行!
(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク)
●「連携」「共有」がキーワードに
本号は巻頭記事として災害ボランティアがらみで、直近の国作成の冊子とイベント情報を持ってきました。内閣府(防災担当)の、行政とNPO・ボランティア等との『連携・協働ガイドブック』と、これと同時に発表された全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)主催の「第3回 全国フォーラム」6月12~13日開催情報です。
災害情報共有システムの開発もまた、官民あげて(協働)の取組みとなっています。折から、国の「災害情報ハブ」のルールの公表があり、会計検査院の「府省庁の災害関連情報システム整備状況」の報告がなされ、さらに電脳防災コンソーシアムの災害情報に関する「55の提言」、そして防災科研の災害情報システムについての「官民会議」開催と、このところ災害情報共有関連のニュースが続いたことから、小紙も情報共有システムの勉強がてら、「官民会議」を取材してみました。
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いずれ改めて取り上げたいと思っていますが、電脳防災コンソーシアムの「55の提言」には、AI(人工知能)で「災害関連死を減らす」など注目される項目が並びます。
いっぽう、そうした提言とは別に、その添え書き(副題)に「電脳AIが内閣総理大臣の情報参謀に任用される時代をめざして」とあることに、ほぅ、と驚きました。この種の提言の副題としては珍しくユーモラスで、新鮮な驚きでした。
「内閣総理大臣の情報参謀」は正直言って、ひと呼吸おいて考えると、いえいえ、総理大臣自身が壁になり得るかも……電脳AIに災害対策の指揮をまかせたほうがいいかも……と、近未来の災害情報システムを想像しました。
小紙記事のまとめ部分で「カルチャーの壁」に言及しましたが、たまたま「55の提言」でも、組織の縦割りなど“イノベーションを阻む壁”を指摘しています。もしかして、政治(政局)のしがらみにとらわれた総理大臣自らがその“壁”になりかねない、という杞憂は、昨今の政治家と官僚のいぶかしい関係に惑わされたせい?
(M. T. 記)
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