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「安心R住宅」と「不動産総合DB」の効用 [事前防災]

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上画像:国土交通省「まんがでわかる!安心R住宅」より。「新築住宅」への“信仰”が依然として根強いわが国だが、いわゆる中古住宅(既存住宅)でも耐震基準を満たしてさらに「住みたい」、「買いたい」住宅ストックを増やそうという国の「安心R住宅」制度が立ち上がった。これに加えて物件の“災害環境”も登録する「不動産総合データベース」の運用も間近――不動産業界激変の時代の到来と同時に、社会の防災力増進への期待が急速に高まりつつある


■《Bosai Plus》 第184号・2018年04月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●「安心R住宅」に期待 ただし、それ、“安心”ですか?

 本号特別企画「安心R住宅」と「不動産総合データベース」は、直接的には「不動産流通市場の活性化」の話題ですが、防災にも深くかかわる国の施策であり、このように底辺(インフラ部分)で防災力の向上につながる施策は、防災の日常化という意味でも重要だと思います。
 ただし、「安心R住宅」は確かに一定の耐震性のある(新耐震基準)住宅の普及・住み替えに通じますが、新耐震基準はあくまで“最低限の建築基準”で、しかもいまとなってはその基準で建てられたもっとも古い建物だと、築40年になんなんとしています。
 せめて「安心R住宅」の耐震性能を2000年の「新・新耐震基準」にできないものかと思いますが、むずかしいのでしょうか。

 というのも、M9超巨大地震や原発事故以降、小紙は、国・行政や権威筋が自ら策定した指針や施策に“安心・安全”といった安全神話的な言葉を冠するのに抵抗感があります。「安心R住宅」の“安心”には新耐震基準であることも含まれているようですので、抵抗があります。
 中古住宅を求める消費者が「中古でも耐震性が“保証”されている」と勘違いすることはないでしょうか。

 いっぽう、「不動産総合データベース」は災害環境を示すことで、基本的には消費者が、災害リスクを“自分ごと”として判断することになりますから、重要な情報になるでしょう。物件を仲介する宅建業者にも、防災の知識が必須となる時代になりそうです。

●「リスコミ」と「ホープツーリズム」、「コミュタン福島」と

 本号ではこれから後継組織をめぐる議論が本格化する復興庁の話題も取り上げました。その「リスクコミュニケーション強化戦略」のなかに「ホープツーリズム」という言葉が出てきます。
 「ホープツーリズム」とは、震災と原子力災害を経験した福島県だからこそ提案する新しい教育旅行のこと。復興に向け挑戦する「人(団体)」との出会いや「福島県のありのままの姿(光と影)」を実際に見て、聴いて、学んで、そして希望を見つけてもらうことがその趣旨だそうです。

 また「コミュタン福島」という郡山市に近い三春町にある福島県環境創造センター交流棟の放射線教育施設にも触れています。機会がありましたらぜひ訪れてみたい施設です。
 「コミュタン福島」:http://www.com-fukushima.jp/
 「リスコミ戦略」はこれから本格化するそうです。「福島復興庁」につながるかどうか、注目です。

   (M. T. 記)

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