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広域同時多発豪雨の常態化 [大雨災害]

P1_気象庁資料より「72時間降水量の日最大値日」(2018年7月8日).jpg
上図は気象庁資料「72時間降水量の日最大値日」(2018年7月8日)」より。6月28日以降、九州北部、四国、中国、近畿、東海地方の多くで24、48、72時間降水量の値が観測史上第1位となるなど、これまでの観測記録を更新する大雨となり、この間、各地で浸水被害、河川決壊、土砂災害、がけ崩れなどの災害が同時多発的に発生したことから、気象庁は7月9日、この一連の豪雨災害について、「平成30年7月豪雨」と命名した

■《Bosai Plus》 第190号・2018年07月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

 平成30年7月豪雨で各地に甚大な被害が発生しています。
 犠牲になられた方々に謹んで追悼の意を表しますとともに、
 被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

                 ○

●大阪府北部の地震に続いての西日本豪雨大水害、“ゴール”が遠ざかる感も……

 前号の巻頭企画は「大阪府北部の地震」で、続く本号では「西日本豪雨」(気象庁命名は「平成30年7月豪雨」)と、本紙も大災害の情報収集に追われました。
 「わが国は災害の多い国」とは防災白書・冒頭の常套句ですが、単に「災害の多い国」ではなく、近年は「大災害が頻発する国」になりつつあります。

 本紙の標語は「ゴールは遠いが、しっかり見える」――災害犠牲者ゼロというゴールに向かって一歩ずつ歩むという決意を表しているつもりですが、想定を超える被害は起こり得るとして、次つぎと明らかになる“想定内の被害”に、つい、そのゴールが遠ざかる、かすんで見えがち、と弱気にもなります。

 大阪府北部の地震は都市直下ということで首都直下地震を連想させました。今回の西日本豪雨は「広域・大規模・同時多発」という意味合いで、想定される南海トラフ巨大地震を思い起こさせます。
 いずれも近い将来――いえ、いますぐにも起こって不思議はない大規模災害であり、奇しくも、前前号の「土木学会の経済被害推計=最貧国化の可能性」が一種の“予知”の雰囲気を漂わせ、不穏な想定とリアリティの連続性が気になります。

 土木学会の報告書は、長期の減災プラン策定の基本的な考え方は「バックキャスティング」だとしています。つまり、未来のある時点で破局的な事態が予測されるときに、未来から振り返って現在すべきことを考える方法です。そして巨大災害による「最貧国化」を避けるには15年程度以内に抜本的対策を講じないと「間に合わない」と結論づけました。

 現実的にそんなことが可能でしょうか。土木学会の推計を“机上の空論”、あるいは「杞憂」としないために、改めて、成長戦略を掲げる為政者に、そして経済界に「最貧国化」をどう考えるか、防災・減災プランをどう考えるかを、問いたいところです。

 それにしても、当面はこの秋の台風シーズンに向けて、どんな有効な「減災プラン」を講じるか。私たち地域防災のレベルでは当面、「お誘いあわせの避難プラン」でいのちを守りましょうか。

   (M. T. 記)

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2017年7月 九州北部の豪雨 [大雨災害]

P2-1_国土地理院資料より「福岡県朝倉市-赤谷川の被害箇所2(2017年7月7日15時30分撮影)」.jpg
上画像:国土地理院資料より「福岡県朝倉市-赤谷川の被害箇所2(2017年7月7日15時30分撮影)」

■《Bosai Plus》 第166号・2017年07月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●「大雨特別警報」が3連発――「特別警報」は“効いたのか”

 7月5~6日にかけて、島根県、福岡県、大分県に連続して「大雨特別警報」が発表され、福岡県・大分県で死者30人(安否不明者18人)という大きな災害が起こりました。
 犠牲になられた方がたのご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、被害に遭われたみなさまにお見舞いを申し上げます。

 本号は、この「九州北部の豪雨」を緊急的に特別企画にしました。
 このたびの豪雨災害を特徴づけるものはいくつかあると思いますが、本紙が注目したことは、5年前に同じ災害名「九州北部豪雨」と呼ばれる災害がこの地方で起こっていること、今回は「大雨特別警報」が3連発で発表されたのに対して、5年前の災害時には「特別警報」は運用されていなかったということです。

 「特別警報」の運用が始まったのが4年前で、言うならば、5年前は「警報」下での災害対応であり、今回は「特別警報」下での対応でした。その差はあったのか、なかったのか……「特別警報」は“効いたのか”。

 「特別警報」はご承知のように「数十年に一度の、これまでに経験したことのないような、重大な危険が差し迫った異常な状況」(気象庁)だとされます。この表現は、防災情報として有効でしょうか。
 犠牲になった人、被災した人にとっては、「死に至る、人生最悪の、逃れようのない異常な状況」だったはず……いのちにかかわる防災情報の伝え方、受け止めという大きな課題……今後も引き続き追いかけたいテーマです。
 
●北海道、猛暑日が続く

 梅雨のない北海道では昨日(7月14日)、足寄(あしょろ)などで36.2度、北見市で35.7度、札幌市も34.9度だったそう。ちなみに道内の真夏日は10日連続。猛暑日は7月に入って4日目。道内で7月に10日続けて真夏日を観測するのは1997年以来20年ぶり。7月に猛暑日を4日記録するのは2004年以来13年ぶりとのこと。

 でも、20年ぶりとか13年ぶりなら、「数十年に一度の、これまでに経験したことのないような」という気象庁の「特別警報」レベルではないか……と、変に納得もしています。

●話題を変えて……テレビ局スタッフは、揺れたらヘルメットを

 7月に入って震度5クラスの地震が各地で起こりました。各地の揺れの様子はテレビで垣間見られますが、各テレビ局では局内オフィスの揺れの様子(定点カメラの映像)を放送することがよくあります。
 その際、さすがテレビ局報道スタッフのみなさんは落ち着いた行動をとられていますが、残念に思うことは、即座にヘルメットを着用する人がいないこと。

 このコーナーで国会本会場の各議員デスク下にヘルメットが常備されたことを紹介しましたが、報道のみなさん、国民の防災意識啓発の意味でも「揺れを感じたらヘルメット着用!」を励行していただけるとうれしいのですが。

   (M. T. 記)

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