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熊本地震から1年 震度7超の激震? [地震]

P1_熊本地震-活断層直上の激震被害.jpg
上写真:熊本地震-活断層直上の激震被害(Photo by M. T., Bosai Plus/2016.05.12.)

■《Bosai Plus》 第160号・2017年04月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

 本号巻頭企画「熊本地震から1年」は新耐震基準と揺れの増幅の視点から話題を提供。NHKスペシャルが取り上げた「表層地盤」の問題もフォローしました。また、各種団体の防災啓発活動から「木耐協」地域防災プロジェクトと「日本気象協会」のお得感のある防災キャンペーンも。仙台支局発「鉄道復興シリーズ・8」は、避難指示解除に合わせて開通したJR常磐線・小高~浪江間をめぐる話題です……

●熊本地震 「震度7」は実は「震度8」いや「震度9」ではなかったのか……
 「新・新耐震」と「表層地盤リスク」

 本号の巻頭写真は昨年5月の小紙現地取材で撮影したなかからの1カットです。まことに衝撃的な写真ですが、あえて使わせていただきました。被災者の方には改めて心からお見舞いを申し上げます。

 その写真キャプション(説明文)で米国の震度階級に触れ、12段階の最大の震度が「Cataclysmic(地殻の激変・変動)」と表現されていると書きました。
 ただ、こういう指標に「最大」という"上限"がつけられるものなのだろうか……という素朴な疑問があります。

 以前、小紙でも触れましたが、竜巻では「藤田(F)スケール」があります。日本人気象学者・藤田哲也(1920-1998年)博士が米国に定着させた竜巻の規模の指標で、風速と被害状況によるF0~F5の6段階です(現在は「改良藤田スケール」Enhanced Fujita Scale、通称EFスケールとなっていて、日本でも採用)。
 藤田博士のそうした業績はもちろんすばらしいものですが、ここでとくに"さすが"とご紹介したいのは、想定不能の「F6」も設定し、"想定外"をも取り込もうとしたところにあると思います。
 それはまさに、災害の本質を見抜いた科学者の想像力として、高く評価されるのではないでしょうか。米国の、そのような発想での地震の揺れへの想像力が、「Cataclysmic(地殻の激変・変動)」になったのではないかと思うのです。

 いっぽう、日本の「震度7」はどんな揺れが、そしてどこまでが「震度7」なのかよくわかりません。「震度7」以上はどんな揺れでも「7」なのか……今回、NHKスペシャルに触発されて取り上げた「表層地盤」で増幅する揺れについて、防災科学技術研究所の研究者のみなさんは、震度7以上(震度7の2倍クラスの揺れ?)を想定しているのではないでしょうか。

 そうであれば、"想定震度8"とか"想定震度10"とか、震度7の限界を押し広げる揺れの新しい指標・表現も必要になるのでは……

 地震でマグニチュード(M)10は起こり得るかどうかというマジメな議論もあります。M10は東日本大震災のM9の30倍規模で、専門家は起こり得る、としています。自然災害ではそれこそ、地球壊滅的な最大規模までも想定しておかないと、次から次へと起こる想定外に対応できないのではないでしょうか。

●忙中閑話(でもなく、マジメな話……)
 想定外への想像力のウォーミングアップ――
>>朝日新聞:小惑星衝突危機、そのとき人類は 100m級でも大被害
(2017.04.02.)
 《新たな小惑星が見つかった。国際天文学連合は「2017PDC」と命名し、軌道計算から、地球に衝突する可能性がある「潜在的に危険」と分類された。NASA(米航空宇宙局)とESA(欧州宇宙機関)は、10年後に衝突の可能性があると推定。直径は100~250mとみられる……

 *専門家が小惑星や彗星による地球衝突の脅威に関して議論する2年に1度開催の国際会議「2017 5th IAA プラネタリー・ディフェンス・コンフェレンス(Planetary Defense Conference)」が、5月15日~19日、日本科学未来館で開催されます。

>>MITテクノロジーレビュー:ダラス市民、ハッキングによる防災サイレンの爆音で眠れず
(2017.04.11.)
 ダラス市の警報システムがハッキングされ、ハリケーン到来を知らせる緊急サイレンが深夜に鳴り響いた。重大な被害がなかった一方、サイバー・セキュリティは都市整備の重要要素になった……

(M. T. 記)
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