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「災害史探訪」を再訪する [災害教訓]

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上写真:元NHK解説委員で中央防災会議専門調査会座長・委員などを歴任、市民の防災啓発や防災士育成・指導で知られる伊藤和明氏による最新三部作。三部作はそれぞれ新書版で「内陸直下地震編」(定価900円+税)、「海域の地震・津波編」(1100円+税)、「火山編」(1100円+税)の構成。伊藤氏がとくに自然災害の温故知新として論考を深めてきたわが国の地震・津波、火山噴火の災害史をわかりやすくコンパクトに解説・評価、今後想定される災害への警告とともに、21世紀の防災への新たな視点、読み解くべき教訓が示されている


■《Bosai Plus》 第176号・2017年12月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●祝!「災害史探訪 三部作」 そして“災害史探訪”の意義を考えてみた……

 本号特別企画は、みなさまおなじみの伊藤和明先生・著「災害史探訪 三部作」上梓にちなみ、7年半という異例の長期にわたって先生が座長を務め、25の災害報告書の成果に結実した中央防災会議「災害教訓の継承専門調査会」を“再訪”しました。

 今年2017年は実は、関東大震災の流言による「朝鮮人虐殺」で“摩訶不思議”な話題が2つ重なり、「災害教訓の継承」の関東大震災報告書に別な方向からスポットライトが当てられるということがありました。
 ひとつは朝日新聞4月19日付けの「『朝鮮人虐殺』含む災害教訓報告書、内閣府ホームページから削除」という記事で、もうひとつは関東大震災から94年の今年9月1日の、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に小池百合子都知事が慣例だった追悼文送付をとりやめたという件です。

 ここではその詳細に立ち入りませんが、前者(朝日新聞記事)の経緯については本紙5月1日号(No. 161)特別企画「いまだから『流言』への備え」で触れています。北朝鮮の動向をめぐって朝鮮半島の緊張が高まり、“戦前”的な不穏な高揚感と空気感が漂うなかで(また“忖度問題”のさなかともあって)、魑魅魍魎の気配も感じられた一件でした。
 小紙は朝日新聞に真偽のほどを問い合わせたのですが「誤報ではない」と断言され、結局、真相ははわからずじまい……

 伊藤先生の三部作のひとつ「災害史探訪~海域の地震・津波編」に関東大震災の項があり、先生は「流言とそれが原因となった大虐殺は、日本の国辱といってもいい事件だった」としています。

 私はこの“大虐殺”について実は、余計な心配をしています。虐殺に主にかかわったのは当時の自警団だったわけですが、彼らはいまで言う自治会や自主防災のような市民たちではなかったのか、と。私たちは大丈夫だろうか、と。
 “災害史探訪”の意義はまさに、こういう問いを生むところにもあるのではないでしょうか。

●年末のご挨拶 よいお年を! 新春第1号は 1月4日配信です

 本年も押し詰まりました。本号が本年最後の配信となります。
 新しい年の第1号(1月1日号/No. 177)は、1月4日の配信となりますので、ご了承ください。
 本年の本紙へのご支援、ご鞭撻、ありがとうございました。
 みなさまの新しい年のご多幸を、心よりお祈り申し上げます。

   (M. T. 記)
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